エレベーターの内装工事において、床材の選択は非常に重要です。
特に床マットと床タイル(シート)は、見た目だけでなく、使用目的や耐久性、
コストなど多くの面で違いがあります。
本コラムでは、それぞれの特徴とメリット・デメリット、
さらに床タイルの厚さ選定について解説します。
床マットと床タイルの基本的な違い
1. 厚さ
• 床マット:基本的に置敷きを前提として使用され、厚さは一般的に3〜5mm程度です。清掃時に取り外しが容易で軽量なものが多く、施工も簡単です。
• 床タイル(シート):エレベーターで使用されるものは厚さ2mm程度が一般的ですが、用途に応じて6mmのものもあります。接着剤を用いて床に固定されており、耐久性に優れたものから、さまざまな機能性やデザイン性を持つものがあります。
2. 生地の違い
• 床マット:主にゴム素材や塩化ビニール(PVC)素材が使用されており、柔軟性があり滑りにくい加工が施されています。多彩なデザイン展開が可能です。
• 床タイル(シート):塩化ビニールタイル(PVT)やゴムタイルなどが主流で、それぞれの素材によって硬さや耐久性が異なります。
床マットのメリット・デメリット
メリット
• 施工が簡単:既存の床材の上に置くだけで設置できるため、短期間での施工が可能です。
• 軽量:エレベーターの積載重量を気にせず設置できます。
• 柔軟性:滑り止め加工が施されているため、安全性が高いです。
• コストパフォーマンス:比較的安価で、多彩なデザインから選べます。
• 床の保護:仕上げ床を保護することで、床の損傷を防ぎ長持ちさせることができます。
デメリット
• 耐久性:使用用途に適していないものを選択すると、劣化や摩耗が早くなり交換頻度が高くなる可能性があります。
• 高級感は劣る:高級マンションや商業施設では見劣りする場合があります。
床タイルのメリット・デメリット
メリット
• 高い耐久性:摩耗や衝撃に強く、長期間使用できます。
• デザイン性:高級感のある仕上がりが可能で、ビルやホテルのエレベーターにも適しています。
• 清掃のしやすさ:初期Waxコーティングが施された商品もあり、汚れがつきにくく、メンテナンスが容易です。
デメリット
• 施工に手間がかかる:一度古い床材を剥がし、下地調整をした上で新たに貼り付ける必要があり、工事期間が長くなることがあります。
• 重量:厚みによってはエレベーターの積載制限を考慮する必要があります。
• コスト:床マットに比べ、工事期間が長くなる分、初期費用が高い傾向があります。
床タイル(シート)の適正な厚さはどこで判断するか
床タイルの厚さを選定する際は、
以下の要素を考慮する必要があります
1. 使用頻度
高頻度で使用される商業施設やオフィスビルの場合、厚みのあるタイル(5mm以上)を選ぶことで耐久性が向上します。
2. エレベーターの積載重量
タイルの重量が積載制限に影響を与えないか確認が必要です。必要に応じて軽量タイルを選択します。
3. 床下地の深さ
既存床材を撤去した後の敷居までの深さによって、厚みのあるタイルを使用できない場合があります。その場合、基本的には同じ厚みのものを選ぶ必要があります。
4. デザイン性
施設の用途やコンセプトに合わせて、適切な厚さや素材を選びましょう。例えば、高級感を求める場合は石目模様などが適しています。
まとめ
エレベーター内装における床材の選定は、利用シーンや予算に応じて
柔軟に検討する必要があります。
床マットはコストパフォーマンスが高く、取り替えも簡単ですが、
耐久性に欠ける場合があります。一方、床タイル(シート)は
高級感と耐久性に優れていますが、施工に時間とコストがかかります。
床材選びに迷った際は、ぜひ専門家にご相談ください。私たち株式会社トリウェルでは、お客様のニーズに合わせた最適な床材をご提案し、短期間で高品質な施工を実現いたします。お気軽にお問い合わせください!