皆さん、こんにちは。大阪府東大阪市を拠点に、エレベーター内装工事を手掛けている株式会社トリウェルです。
エレベーターの中には、基本的に鏡が設置されています。この鏡が傷ついてしまい、見づらくなったり見栄えが悪くなったりしてお困りのビル・マンションオーナー様もいらっしゃるのではないでしょうか。
もしその鏡が「ステンレスミラー」なのであれば、研磨してきれいにするのがおすすめです。ここではエレベーター内に鏡がある理由や、鏡に傷がついた時の対処法について解説します。
■エレベーターに鏡がある理由は、車椅子の方をサポートするため!
皆さんは、そもそもなぜエレベーターの中に鏡があるのかをご存じでしょうか? おそらく、「防犯のため」「空間を広く見せるため」「身だしなみを整えるため」などと考える方は少なくないと思われます。正解をいうと、実は「車椅子の方をサポートするため」です。
一般的に、車椅子の方がエレベーターを利用する時は、正面を向いた状態で前進して乗り込みます。理想をいえば、降りる時も正面を向いて前進したいところですが、多くのエレベーターは内部の空間が狭く、車椅子を回転させることができません。
必然的に、エレベーターから降りる時はバックで進むことになります。その際、後方確認をしながら安全に降りられるよう、エレベーター内に鏡が設置されているのです。
特に2006年12月以降は、いわゆるバリアフリー新法が施行され、旅客施設(駅、バスターミナルなど)や自動車駐車場のエレベーターにおいて、鏡の設置が義務付けられました。それ以外の建物でも、同法に基づく自治体の条例によって設置が義務化されているケースが多く、病院などの公共施設ではほぼ確実に設置されています。
エレベーターが2基以上ある場所では、少なくとも1基に鏡が設置されていればいい場合もあります。そして、車椅子専用のボタンを押すと、鏡や手すりがついたエレベーターがやってくるという仕組みです。
逆にいうと、エレベーター内の鏡が傷ついて見づらくなれば、車椅子の方は大変困ってしまいますし、場所によっては法令に違反していることになります。もちろん、見栄えが悪いからといって撤去してしまうわけにもいきません。エレベーター内の鏡が傷ついていたら、早急に対策を考える必要があります。
■エレベーター向けの鏡は2種類ある
エレベーター内の鏡は、設置すれば何でもいいわけではない点に注意が必要です。少なくとも、車椅子の方が見やすい大きさ・位置でなければ意味がありません。また、防火上の内装制限や破損した時の危険性などの観点から、材質も制限されています。
エレベーターで一般的に使用される鏡としては、ガラス製とステンレス製の2種類があります。それぞれの特徴を確認しておきましょう。
・ガラス製の鏡
ガラス製の鏡は、映りがとてもきれいなのがメリットです。背面の銀メッキで反射させる仕組みで、反射率は80%前後もあります。また、硬度が高いので傷つきにくく、ステンレスミラーと比べて価格が安いのも魅力です。
その反面、衝撃などで割れてしまうリスクがあるという弱点があります。これはエレベーター内においては無視できない問題です。
・ステンレスミラー
ステンレスミラーは、ガラス製よりも薄くて軽量なのが特長です。ガラス製と違って割れる心配もなく、安心して設置できます。
一方、厚みが薄いので下地の影響を受けやすく、ガラス製ほど映りがきれいではありません。反射率は60%~70%程度です。
とはいえ、普段はわかる人の方が少ないほどの違いであり、それほど問題にはなりません。安全性が重視されるエレベーター内では、破損しにくいメリットの方が大きいため、ステンレスミラーが多く採用されています。
■ステンレスミラーの注意点
上述したように、ステンレスミラーはエレベーター内に設置するのに適した鏡ですが、実は弱点もあります。それは、「割れにくいが、傷つきやすい」ということです。これは、表面硬度の差が関係しています。
ガラス製ミラーの表面硬度は、鉛筆硬度(JIS)で最も高い9Hですが、ステンレスミラーはそれよりも低い4H~6H程度です。ちなみに人間の爪は2Hで、平均的な外国車の塗装は4H程度とされています。
少しこすったくらいであれば、どちらも傷つくことはほとんどありません。しかし、エレベーター利用者の体やカバンが当たったり、運搬中の物品がぶつかったりすると、ステンレスミラーには傷がついてしまうケースがしばしば見られます。加えて、清掃時に強くこすった時などにも傷がつく可能性があります。
また、物がぶつかっても割れない反面、衝撃に弱く凹みやすいのもステンレスミラーのデメリットです。エレベーター内にステンレスミラーを設置する場合は、こういった弱点をよく理解しておく必要があります。
■ステンレスミラーに傷がついた時の対処法
ステンレスミラーは傷つきやすいと聞いて、「丁寧に使えば問題ないのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし、話はそう簡単ではありません。何しろエレベーターというのは、不特定多数の方が利用する設備です。そのすべての方に対し、ステンレスミラーに一切衝撃を与えないようお願いするのは無理があります。
そもそも、日常の清掃の範囲でもうっかり傷をつけてしまう可能性があるため、傷つくこと自体を防ぐのは現実的ではありません。ステンレスミラーは、使っているうちに絶対に傷がつくものだと考えるべきでしょう。
では、ステンレスミラーが傷だらけになってしまった時はどうすればいいのでしょうか? 対処法としては、まず鏡の交換が挙げられます。しかし、大きな鏡を丸ごと交換するとなると、相当な出費になってしまいます。ステンレスミラー自体の価格がそれなりに高いのに加え、簡単に取り外しできない場合が多く、工事費用が高くなりがちだからです。
そこで、おすすめの対処法としては、ステンレスミラーの研磨が挙げられます。この方法なら、ステンレスミラーをきれいな状態に復活させられ、費用も交換ほど高くありません。また、ステンレスミラーを廃棄せずに済むので、環境に優しいというメリットもあります。エレベーター内のステンレスミラーが傷ついてきたら、まず研磨を検討するといいでしょう。
■ステンレスミラー研磨はトリウェルにお任せを!
ステンレスミラーが傷ついてしまった時の対処法として、研磨が最も有効なのは確かですが、これはどの業者に依頼してもいいわけではありません。なぜなら、鏡としての機能を保ったままステンレスミラーの傷を消すのは、非常に高度な技術を要求される作業だからです。
ステンレスミラーの研磨というのは、要するにステンレスの表面を少しずつ削り、傷を薄くしていく工法を指します。傷の深さに応じて、研磨に使うサンドペーパーの番手(1000番、2000番といった砥粒サイズ)を変えなければなりませんし、部分研磨の場合は他の箇所との見え方の違いをなくすための工夫も必要です。
経験の少ない方が行うと、傷が消えないどころか新たな傷がついたり、鏡に映った像が湾曲して見えてしまう「歪み」という現象が起きたりする可能性があります。ステンレスミラーの研磨は、十分な経験を積んだ職人だけが行える、とても奥の深い仕事なのです。
それだけに、対応できる業者は決して多くありません。傷ついたステンレスミラーを美しくしたい時は、実績豊富な専門業者に相談するようにしましょう。
トリウェルでは、エレベーター内装工事の一環として、ステンレスミラーの研磨も手掛けています。傷だらけになった鏡でも、プロの技術によって美しく仕上げることが可能です。
その他にも、化粧シート貼りや床タイルの張り替え、塗装に各種リペア補修など、エレベーター内装工事全般に対応しております。専門資格を持った職人のチームワークにより、工期を守った安心・確実な施工をお約束します。エレベーターの内装に関するお悩みがある時は、トリウェルまでお気軽にご相談ください。